三人麻雀の何切る(6)テンパイを取るか、受け入れを広く残すか — 3問(第2弾)
この記事について
三人麻雀の何切る問題を3問並べます。テーマは第1回と同じ、「テンパイに取れるが、テンパイを外したほうが受け入れが広い」局面です。問題を替えてもう3問出します。
第1回と重複しないよう、テンパイ側の細さの理由が違う3つを選びました。
- 第1問 — 両面で受けているのに7枚。1向聴に戻すと37枚
- 第2問 — シャンポン。2種類で受けているのに4枚
- 第3問 — 自分で3枚使った牌を待っている。残り1枚
数字の出どころを先に書きます。
- 問題は手作りではありません。 jongbase の対局エンジンが実際の牌山から14枚を配り、0〜1向聴になった手だけを残し、そのうちテンパイに取れる打牌があり、かつテンパイを外すと受け入れが2倍以上かつ8枚以上広くなる手を問題にしています。手を組み立てていないので、出てくる形は実戦の分布そのままです。
- 表は解析コードの出力をそのまま貼っています。 対局で使っている和了判定をオラクルにした総当りテストで検証済みの実装から出ています。
- 各問題に受け入れ計算機へのリンクと検算用シードを付けます。
この記事は「正解」を書きません。 事実だけ出します。
四人麻雀用の何切るツールでは、この記事の数字は出せません。 三人麻雀は萬子が一と九しかないので萬子の順子が存在せず、チーもありません。受け入れの数え方が根本から違うので、同じ手牌を入れても別の答えが返ります。
牌の書き方は 4p = 4筒、7s = 7索 のようにしています。字牌は東・南・西・北・白・發・中と、そのまま書きます。
表の読み方
- 受け入れ — その牌を1枚引くと向聴が1つ進む牌。残り0枚の牌はこの列に出しません。
- 枚数 — 受け入れ牌の残り枚数の合計。残り枚数は
4 − 見えている枚数で、この記事では自分の手牌のぶんだけを引いています。 - 待ち — テンパイのときだけ出ます。
7s(両面・辺張, 残3)は「7索で和了、両面とも辺張とも読める、残り3枚」の意味です。
各表の下に書いてあるとおり、引いているのは「打牌後の13枚」だけです。そのため、切った牌自身が受け入れに残ることがあります(第1問の 打9s の受け入れに 9s が入っているのがこれです)。受け入れ計算機と同じ数え方なので、リンクを開けば同じ数字が出ます。実戦では自分の河に出た1枚ぶんがさらに減りますが、この記事で比べている2択は両方が同じだけ減るので、比較の結論は変わりません。
この記事でいちばん見てほしいのは、待ちの列の「残N」です。待ちの形の呼び名(両面・シャンポンなど)は牌の並びの名前でしかなく、実際に何枚引けるかは自分が何枚使っているかで決まります。3問ともここが効いています。
参考までに、待ちの形ごとの枚数の上限はこうです。
| 呼び名 | 待ち牌の種類 | 上限 |
|---|---|---|
| 両面 | 2種 | 8枚 |
| 嵌張・辺張 | 1種 | 4枚 |
| シャンポン | 2種 | 4枚(自分で2枚ずつ使うため) |
| 単騎 | 1種 | 3枚(自分で1枚使うため) |
第1問: 7枚と37枚
手牌: 1p 4p 5p 6p 7p 8p 9p 5s 6s 7s 8s 9s 西 西 ドラ表示牌: 中(=ドラは 白)
手牌: 1p 4p 5p 6p 7p 8p 9p 5s 6s 7s 8s 9s 西 西
| 打牌 | 向聴 | 受け入れ | 枚数 | 待ち |
|---|---|---|---|---|
| 1p | テンパイ | 4s 7s | 7枚(2種) | 4s(両面, 残4) 7s(両面・辺張, 残3) |
| 9s | 1向聴 | 1p 2p 3p 3s 4s 5s 6s 7s 8s 9s 西 | 37枚(11種) | — |
| 5s | 1向聴 | 1p 2p 3p 4s 5s 6s 7s 8s 9s 西 | 33枚(10種) | — |
| 6s | 1向聴 | 1p 2p 3p 3s 4s 5s 6s 7s 西 | 31枚(9種) | — |
| 8s | 1向聴 | 1p 2p 3p 4s 7s 8s 9s 西 | 27枚(8種) | — |
| 9p | 1向聴 | 3p 6p 9p 4s 7s | 18枚(5種) | — |
| 6p | 1向聴 | 3p 6p 4s 7s | 15枚(4種) | — |
| 4p | 1向聴 | 4p 7p 4s 7s | 14枚(4種) | — |
| 西 | 1向聴 | 1p 4s 7s 西 | 13枚(4種) | — |
| 5p | 1向聴 | 5p 4s 7s | 11枚(3種) | — |
| 7p | 1向聴 | 7p 4s 7s | 11枚(3種) | — |
| 8p | 1向聴 | 8p 4s 7s | 11枚(3種) | — |
| 7s | 1向聴 | 4s 7s | 8枚(2種) | — |
受け入れ枚数は、打牌後の13枚だけを引いた実数です(いま切った1枚は引いていません/河などの情報も考慮していません)。 三人麻雀(萬子は一・九のみ/チーなし)の条件で計算しています。
生成器が出した材料
- 打 1p(テンパイ・受け入れ7枚2種): 即テンパイ。待ちは 両面・辺張(4s 残4 / 7s 残3)
- 打 9s(1向聴・受け入れ37枚11種): テンパイを外すぶん受け入れが 30 枚広い
- 受け入れ枚数の差: 30 枚(7 → 37)
【この問題で確認できること】即テンパイは打1p の7枚。1向聴に戻すと打9s で 37枚11種になります。差は30枚で、この記事でいちばん大きい差です。
テンパイ側は形としては悪くありません。4s(両面, 残4) と 7s(両面・辺張, 残3) で、4索は1枚も減っていない満枚の両面です。それでも7枚。7索を自分で1枚使っているので、両面と言いながら片方が残3になっています。
一方、テンパイを外した打9s の受け入れは 1p・2p・3p と 3s〜9s と 西 の11種。筒子が 456789p と2面子完成していて、索子が 5678s、西が対子。9索を切るだけで、索子の伸び代と西の重なりが両方生きる形です。
ドラは白ですが手牌にありません。ドラ表示牌が 中のとき、ドラは 白に戻ります。 三元牌は白→發→中→白と循環するので、中の次は白です。この手はドラ0枚なので、打点で選ぶ材料はありません。
検算用シード:
t2#1953
第2問: シャンポンは2種類受けても4枚
手牌: 3p 4p 5p 7p 8p 9p 1s 1s 3s 3s 4s 5s 6s 9s ドラ表示牌: 4p(=ドラは 5p)
手牌: 3p 4p 5p 7p 8p 9p 1s 1s 3s 3s 4s 5s 6s 9s
| 打牌 | 向聴 | 受け入れ | 枚数 | 待ち |
|---|---|---|---|---|
| 9s | テンパイ | 1s 3s | 4枚(2種) | 1s(シャンポン, 残2) 3s(シャンポン, 残2) |
| 3s | 1向聴 | 1s 2s 3s 4s 5s 6s 7s 8s 9s | 29枚(9種) | — |
| 6s | 1向聴 | 1s 2s 3s 4s 5s 6s 7s 8s 9s | 29枚(9種) | — |
| 1s | 1向聴 | 1s 2s 3s 6s 7s 8s 9s | 23枚(7種) | — |
| 3p | 1向聴 | 3p 6p 1s 3s | 12枚(4種) | — |
| 5p | 1向聴 | 2p 5p 1s 3s | 12枚(4種) | — |
| 9p | 1向聴 | 6p 9p 1s 3s | 12枚(4種) | — |
| 4s | 1向聴 | 1s 3s 4s 7s | 12枚(4種) | — |
| 4p | 1向聴 | 4p 1s 3s | 8枚(3種) | — |
| 7p | 1向聴 | 7p 1s 3s | 8枚(3種) | — |
| 8p | 1向聴 | 8p 1s 3s | 8枚(3種) | — |
| 5s | 1向聴 | 1s 3s 5s | 8枚(3種) | — |
受け入れ枚数は、打牌後の13枚だけを引いた実数です(いま切った1枚は引いていません/河などの情報も考慮していません)。 三人麻雀(萬子は一・九のみ/チーなし)の条件で計算しています。
生成器が出した材料
- 打 9s(テンパイ・受け入れ4枚2種): 即テンパイ。待ちは シャンポン(1s 残2 / 3s 残2)
- 打 3s(1向聴・受け入れ29枚9種): テンパイを外すぶん受け入れが 25 枚広い
- 受け入れ枚数の差: 25 枚(4 → 29)
【この問題で確認できること】テンパイは打9s の一択で、シャンポンの4枚。1向聴に戻すと29枚で、差は25枚です。
待ちの列を見てください。1s(シャンポン, 残2) 3s(シャンポン, 残2)。2種類受けているのに、どちらも残り2枚しかありません。 シャンポンは対子2つで待つ形なので、待ち牌をそれぞれ自分で2枚使っているからです。これは構造上そうなるもので、場に1枚も出ていなくても4枚が上限です。
「2種類で受けているから広い」と考えると、ここで間違えます。同じ2種でも、両面なら上限8枚、シャンポンは上限4枚。半分です。
1向聴に戻したときの受け入れが 1s〜9s の9種29枚と広いのは、索子が 1s1s 3s3s 4s5s6s 9s と塊で持っているためです。打3s でも打6s でも29枚で同じになります。
ドラは 5p で、手牌に1枚あります。表の候補のうち打5p だけがドラを0枚にします(受け入れも12枚と広くありません)。
検算用シード:
t1#409
第3問: 自分で3枚使った牌を待つ
手牌: 1p 2p 3p 4p 5p 5p 5p 6p 8p 8p 4s 5s 6s 東 ドラ表示牌: 西(=ドラは 北)
手牌: 1p 2p 3p 4p 5p 5p 5p 6p 8p 8p 4s 5s 6s 東
| 打牌 | 向聴 | 受け入れ | 枚数 | 待ち |
|---|---|---|---|---|
| 東 | テンパイ | 5p 8p | 3枚(2種) | 5p(嵌張・シャンポン, 残1) 8p(シャンポン, 残2) |
| 8p | 1向聴 | 1p 3p 4p 5p 6p 7p 8p 9p 東 | 27枚(9種) | — |
| 6p | 1向聴 | 1p 2p 3p 4p 5p 6p 8p 東 | 22枚(8種) | — |
| 1p | 1向聴 | 1p 4p 5p 6p 7p 8p 東 | 20枚(7種) | — |
| 5p | 1向聴 | 3p 4p 5p 6p 7p 8p 東 | 20枚(7種) | — |
| 4p | 1向聴 | 4p 5p 6p 7p 8p 東 | 17枚(6種) | — |
| 4s | 1向聴 | 5p 8p 4s 7s | 11枚(4種) | — |
| 6s | 1向聴 | 5p 8p 3s 6s | 11枚(4種) | — |
| 2p | 1向聴 | 2p 5p 8p | 7枚(3種) | — |
| 3p | 1向聴 | 3p 5p 8p | 7枚(3種) | — |
| 5s | 1向聴 | 5p 8p 5s | 7枚(3種) | — |
受け入れ枚数は、打牌後の13枚だけを引いた実数です(いま切った1枚は引いていません/河などの情報も考慮していません)。 三人麻雀(萬子は一・九のみ/チーなし)の条件で計算しています。
生成器が出した材料
- 打 東(テンパイ・受け入れ3枚2種): 即テンパイ。待ちは 嵌張・シャンポン(5p 残1 / 8p 残2)
- 打 8p(1向聴・受け入れ27枚9種): テンパイを外すぶん受け入れが 24 枚広い
- 受け入れ枚数の差: 24 枚(3 → 27)
【この問題で確認できること】テンパイは打東 の3枚。1向聴に戻すと27枚で、差は24枚です。
3枚しかない理由が待ちの列に出ています。
5p(嵌張・シャンポン, 残1) 8p(シャンポン, 残2)
5筒は自分で3枚使っているので、残りは1枚だけ。8筒は2枚使っているので残り2枚。2種類で受けていても合計3枚にしかなりません。第2問のシャンポン4枚よりさらに細い形です。
一方で、この 555p の暗刻は手の骨格でもあります。打8p で1向聴に戻すと、筒子が 12345p 5p5p 6p となって 1p〜9p のうち8種を受ける形になり、27枚に広がります。同じ 555p が、テンパイを取ると足かせになり、外すと武器になるという構造です。
ドラの扱いにも触れておきます。ドラ表示牌が 西なので表ドラは 北です。ただしこの記事の生成器は「北は引いたら必ず抜く」前提で動かしているので、この表ドラが手牌に入ることはありません(実際の対局では抜かずに手牌へ残せます——北抜きとは)。jongbase の点数計算では抜いた北はドラ1枚ぶんとして別に数えていて、表ドラが二重に乗ることはない実装になっています。つまりこの局は、実質的に表ドラのない局です。
検算用シード:
t1#1384
3問に共通していること
| テンパイの受け入れ | 1向聴に戻した最大 | 差 | テンパイが細い理由 | |
|---|---|---|---|---|
| 第1問 | 7枚 | 37枚 | 30枚 | 両面の片方を自分で1枚使用 |
| 第2問 | 4枚 | 29枚 | 25枚 | シャンポン(各2枚使用) |
| 第3問 | 3枚 | 27枚 | 24枚 | 5筒を自分で3枚使用 |
3問とも、テンパイが細い理由は「自分がその牌を使っているから」でした。 場に出ているからではありません。手牌を配られた時点で、待ちの枚数はもう決まっています。
- 両面で1枚使えば 8枚 → 7枚
- シャンポンで2枚ずつ使えば 上限が 4枚
- 3枚使えば 残り1枚
「両面だから広い」「2種で受けているから広い」は、自分の使用枚数を引く前の話です。表の 残N はそれを引いたあとの数字なので、比べるならこちらを見ることになります。
ここから先は【意見】です。
三人麻雀では、この判断は四人麻雀より重いと考えています。数字で言えるのは1つです。
ロンできる相手が2人しかいないので、他家の打牌の総数がそのまま3分の2になります。細い待ちを維持したときに減るのは、この「他家が打ってくれる機会」のほうです。
⚠️ 自分のツモ回数は理由になりません。 1局のツモ55枚を3人で分けて18〜19回、四人麻雀は70枚を4人で分けて17〜18回。三人麻雀のほうがむしろ多いです(三人麻雀の山と王牌)。
一方で、テンパイを取る理由もはっきりしています。流局時のテンパイ料があり、立直をかければ一発・裏ドラ・ツモの上乗せが乗ります。
私の目安は待ちの残り枚数で持っています。第3問の3枚待ちは外すことが多いです。残り3枚は、山にある確率そのものが低いからです。逆に流局が見えているなら、テンパイ料のほうが確実で、3枚でも取ります。
自分で確かめる
受け入れ計算機 は、手牌をタップで入れると打牌候補ごとの向聴数・受け入れ枚数・待ちの形と残り枚数を出します。この記事の3問はどれもURLに手牌が入っているので、開いて1枚だけ入れ替えてみてください。
とくに試す価値があるのは、第3問の 555p を 55p に減らしてみることです。手牌の枚数が変わるので別の局面になりますが、「自分で何枚使っているか」が待ちの枚数をどう変えるかが、数字で分かります。
四人麻雀用のツールでは同じ数字は出ません。 三人麻雀は萬子が一と九だけなので、2m〜8m が受け入れ候補に出てくること自体が誤りですし、チーがないぶん面子の作りやすさも変わります。
まとめ
事実として言えること
- 3問とも、テンパイを外すと受け入れが 24〜30枚 増えました(5.3倍・7.3倍・9.0倍)。
- テンパイが細い理由は3問とも自分がその牌を使っているからで、場の状況とは無関係です。
- シャンポンは2種類で受けても上限4枚。両面の上限8枚のちょうど半分です。
- 自分で3枚使っている牌の待ちは残り1枚です(第3問の5筒)。
- 三元牌のドラは白→發→中→白と循環するので、ドラ表示牌が中ならドラは白です(第1問)。
- 抜きドラ運用では、表ドラが北になっても手牌に北は残りません(第3問)。
そこから私が採っている方針(意見)
- 残り3枚の待ちは外すことが多い。山にある確率そのものが低いため。
- 待ちの形の呼び名ではなく
残Nの合計で比べる。
AI相手のローカル対戦なら、同じ局面を何度でも試せます。AIは立直・ポン・カン・降りまでひととおり打つので、細い待ちで押したときに何が起きるかも確かめられます。ルールは36項目が設定でき、ローカル対戦とオンライン対戦で共通です。
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