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三人麻雀の何切る(1)テンパイを取るか、受け入れを広く残すか — 3問

(更新 2026年9月29日) ・ 書いた人: jongbase の運営者

この記事について

三人麻雀の何切る問題を3問並べます。テーマは「テンパイに取れるが、テンパイを外したほうが受け入れが広い」局面だけに絞りました。

先に、この記事の数字の出どころを書いておきます。ここが他の何切る記事といちばん違うところなので、読み飛ばさないでください。

配ってから選んでいるので、そもそも配牌がどのくらい整っているのかも測れます。三人麻雀の牌は108枚。この生成器は「北は引いたら必ず抜く」前提で動かしています(抜きドラの既定設定。実際の対局では抜かずに手牌へ残すこともできます——北抜きとは)。その前提で北4枚を除いた104枚から14枚を配る試行を30万回まわすと、こうなりました。

配牌14枚の向聴割合
テンパイ0.24%
1向聴5.29%
2向聴29.28%
3向聴43.62%
4向聴以上21.58%

何切るとして成立する0〜1向聴は、合わせて5.5%しかありません。 この記事の3問は、その5.5%の中からさらに「打牌候補で結論が割れるもの」を絞ったものです。逆に言えば、残りの94.5%は「何を切っても大差ない」局面で、何切るの題材にはなりません。ちなみに赤5(既定は赤5筒1枚・赤5索1枚)が14枚のどこかに入る確率は 25.3% で、4回に1回は赤を持った状態から考えることになります。

もうひとつ大事な前提があります。四人麻雀用の何切るツールでは、この記事の数字は出せません。 三人麻雀は萬子が一と九しかないため、萬子の順子が存在せず、チーもありません。受け入れの数え方が根本から違うので、四人麻雀のツールに同じ手牌を入れても別の答えが返ります。

そして、この記事は「正解」を書きません。 受け入れが何枚あるか、待ちが何の形か、という事実だけを出します。そこから何を切るかは、巡目・点棒状況・他家の気配で変わるので、読む人が決める部分です。

牌の書き方は 4p = 4筒、7s = 7索、1m = 1萬、0p = 赤5筒 のようにしています。字牌は東・南・西・北・白・發・中と、そのまま書きます。


表の読み方(先に定義だけ)

この記事の表は4つの数字で出来ています。定義を先に置いておきます。「受け入れ枚数」の数え方は流派で差が出るところなので、ここを合わせておかないと数字の比較になりません。

各表の下に書いてあるとおり、引いているのは「打牌後の13枚」だけです。そのため、切った牌自身が受け入れに残ることがあります(第1問の 打9s の受け入れに 9s が入っているのがこれです)。受け入れ計算機と同じ数え方なので、リンクを開けば同じ数字が出ます。実戦では自分の河に出た1枚ぶんがさらに減りますが、この記事で比べている2択は両方が同じだけ減るので、比較の結論は変わりません。

ここで大事なのは、受け入れ枚数は「種類の数」ではなく「実際に引ける枚数」だということです。同じ2種を受けていても、自分で2枚抱えている牌なら残り2枚、手を付けていない牌なら残り4枚。倍違います。


第1問

手牌: 1p 2p 3p 7p 8p 9p 2s 6s 6s 7s 9s 南 南 南 ドラ表示牌: 6p(=ドラは 7p)

あなたなら何を切りますか。

以下は解析結果です。

手牌: 1p 2p 3p 7p 8p 9p 2s 6s 6s 7s 9s 南 南 南

打牌向聴受け入れ枚数待ち
2sテンパイ8s4枚(1種)8s(嵌張, 残4)
9s1向聴1s 2s 3s 4s 5s 6s 7s 8s 9s32枚(9種)—
7s1向聴1s 2s 3s 4s 6s 7s 8s 9s28枚(8種)—
6s1向聴2s 5s 6s 8s 9s17枚(5種)—
1p1向聴1p 4p 8s12枚(3種)—
9p1向聴6p 9p 8s12枚(3種)—
南1向聴6s 8s 南8枚(3種)—
2p1向聴2p 8s8枚(2種)—
3p1向聴3p 8s8枚(2種)—
7p1向聴7p 8s8枚(2種)—
8p1向聴8p 8s8枚(2種)—

受け入れ枚数は、打牌後の13枚だけを引いた実数です(いま切った1枚は引いていません/河などの情報も考慮していません)。 三人麻雀(萬子は一・九のみ/チーなし)の条件で計算しています。

生成器が出した材料

【この問題で確認できること】即テンパイは1種類しかなく、8s の嵌張で4枚。テンパイを外して打9s とすると、受け入れは 32枚・9種になります。差は28枚で、8倍です。

打9s の受け入れが 1s から 9s まで全種類並んでいるのが目を引きます。123p・789p・南南南 の3面子が既に完成していて、残りが 2s・6s6s7s・9s の5枚だけなので、9s を切ってしまえば索子はどこを引いても形が進むからです。

もうひとつ、この手には字牌の暗刻があります。南の暗刻ですが、解析は場風・自風とも東として計算しているので、確定役としては1つも検出されていません。表の「確定役」を出す処理は「和了すれば必ず付く役牌」だけを拾いますが、東場の東家にとって南はただの字牌です。南家や西家で打っているなら評価が変わる部分なので、自分の状況に置き換えて考えてみてください。

ドラは 7p です。手牌の 7p が1枚だけドラで、打7p を選ぶとドラが0枚になります(そのうえ受け入れも8枚しかありません)。

👉 この局面を受け入れ計算機で開く

検算用シード: a1#2362


第2問: 赤5を切るという選択肢がある手

手牌: 3p 4p 4p 0p 6p 8p 8p 9p 1s 2s 3s 4s 5s 6s ドラ表示牌: 9p(=ドラは 1p)

0p は赤5筒です。

手牌: 3p 4p 4p 0p 6p 8p 8p 9p 1s 2s 3s 4s 5s 6s

打牌向聴受け入れ枚数待ち
9pテンパイ2p 5p7枚(2種)2p(両面, 残4) 5p(両面・嵌張, 残3)
4p1向聴1p 2p 3p 4p 5p 6p 7p 8p 9p29枚(9種)—
3p1向聴2p 3p 4p 5p 6p 7p 8p 9p25枚(8種)—
6p1向聴2p 3p 4p 5p 6p 7p 8p 9p25枚(8種)—
8p1向聴2p 3p 4p 5p 6p 7p 8p 9p25枚(8種)—
1s1向聴2p 5p 1s 4s 7s18枚(5種)—
4s1向聴2p 5p 4s 7s15枚(4種)—
6s1向聴2p 5p 3s 6s14枚(4種)—
0p1向聴2p 5p 7p12枚(3種)—
2s1向聴2p 5p 2s11枚(3種)—
3s1向聴2p 5p 3s11枚(3種)—
5s1向聴2p 5p 5s11枚(3種)—

受け入れ枚数は、打牌後の13枚だけを引いた実数です(いま切った1枚は引いていません/河などの情報も考慮していません)。 三人麻雀(萬子は一・九のみ/チーなし)の条件で計算しています。

生成器が出した材料

【この問題で確認できること】即テンパイは打9p の7枚。1向聴に戻すと打4p で 29枚・9種になり、差は22枚です。

この手のいちばん面白いところは、5p の残り枚数です。テンパイ側の待ちが 5p(両面・嵌張, 残3) になっています。自分が赤5筒を持っているので、5筒は残り3枚しかありません。赤があるぶん打点は上がるのに、その5筒で和了する目は1枚ぶん細い。この差は頭の中だと見落としやすいところです。

そして赤5を切る選択肢も表に出ています。

打4p が29枚あるので、赤を切る理由は枚数の面ではほとんどありません。ここは「赤を残しつつ広く構える打4p」と「即テンパイの打9p」の比較になります。

索子は 1s2s3s4s5s6s と2面子が完成していて動かす必要がなく、筒子だけで勝負が決まる形です。

👉 この局面を受け入れ計算機で開く

検算用シード: a1#1732


第3問: 差が14枚まで縮むと

手牌: 1p 2p 2p 3p 3p 8p 8p 2s 3s 4s 7s 8s 9s 白 ドラ表示牌: 8p(=ドラは 9p)

手牌: 1p 2p 2p 3p 3p 8p 8p 2s 3s 4s 7s 8s 9s 白

打牌向聴受け入れ枚数待ち
白テンパイ1p 4p7枚(2種)1p(両面, 残3) 4p(両面, 残4)
2p1向聴1p 2p 3p 4p 5p 8p 白21枚(7種)—
3p1向聴1p 2p 3p 4p 8p 白17枚(6種)—
2s1向聴1p 4p 2s 5s15枚(4種)—
4s1向聴1p 4p 1s 4s15枚(4種)—
9s1向聴1p 4p 6s 9s15枚(4種)—
1p1向聴1p 2p 3p 4p 8p14枚(5種)—
8p1向聴1p 4p 8p 白13枚(4種)—
3s1向聴1p 4p 3s11枚(3種)—
7s1向聴1p 4p 7s11枚(3種)—
8s1向聴1p 4p 8s11枚(3種)—

受け入れ枚数は、打牌後の13枚だけを引いた実数です(いま切った1枚は引いていません/河などの情報も考慮していません)。 三人麻雀(萬子は一・九のみ/チーなし)の条件で計算しています。

生成器が出した材料

【この問題で確認できること】即テンパイの打白 が7枚、いちばん広い打2p が21枚。差は14枚で、3倍です。前の2問(8倍・4倍)と比べるとだいぶ縮まっています。

テンパイ側の待ちは 1p・4p の両面で、形としては最良です。ただし 1p は自分で1枚持っているので 1p(両面, 残3)。満枚なのは 4p だけで、両面と言っても7枚しかありません。

切る牌が 白であることも判断に効きます。役牌が1枚だけ浮いている状態で、これを切るとその1枚を重ねて役にする目が消えます。表を見ると、白 を残す選択(打2p・打3p・打8p)は受け入れの中に 白 が入っています。打2p の21枚のうち3枚は「白がもう1枚来る」ぶんです。

索子は 2s3s4s と 7s8s9s で2面子が完成しています。筒子の 12233p と 88p をどう捌くかだけの手です。

👉 この局面を受け入れ計算機で開く

検算用シード: a1#843


3問に共通していること

3問とも「テンパイに取れる」のに、テンパイを外すと受け入れが3倍から8倍に増えます。数字を並べるとこうなります。

テンパイの受け入れ1向聴に戻したときの最大差倍率
第1問4枚32枚28枚8.0倍
第2問7枚29枚22枚4.1倍
第3問7枚21枚14枚3.0倍

そして3問とも、テンパイ側の待ち牌に自分で1枚以上使っている牌が混ざっています(第2問の 5p 残3、第3問の 1p 残3)。「両面だから8枚」と反射で数えると、実際より多く見積もることになります。

ここから先は【意見】です。異論があって当然の部分だと思って読んでください。

三人麻雀は、この判断が四人麻雀より重いと考えています。数字で言えるのは1つです。

ロンできる相手が2人しかいないので、他家の打牌の総数がそのまま3分の2になります。細い待ちを維持したときに減るのは、この「他家が打ってくれる機会」のほうです。

⚠️ 自分のツモ回数は理由になりません。 三人麻雀の1局でツモできる枚数は55枚で、これを3人で分けるので18〜19回。四人麻雀は70枚を4人で分けて17〜18回です。三人麻雀のほうがむしろ多いので、「ツモが少ないから細い待ちは引けない」は三麻固有の話になりません(三人麻雀の山と王牌)。

一方で、テンパイを取る側の理由もはっきりしています。流局時のテンパイ料があり、立直をかければ一発・裏ドラ・ツモの上乗せが乗ります。三人麻雀は局が短いので、「まだ広く構えていたら終わっていた」も普通に起こります。

私自身の目安は、受け入れ枚数の差で持っています。第1問のように差が28枚もあるなら外す価値がありますし、第3問のように差が14枚で、しかも切る牌が役牌の白なら、テンパイを取ってしまう理由も十分にあります。ただしこれは基準であって答えではありません。

運営者メモ: この連載の表は対局エンジンの出力を貼ったものですが、公開当初は貼ったあとに検算する仕組みがありませんでした。実際に別の回で「3問とも7倍以上」と書いていた倍率が計算し直すと1問は5.3倍で、ドラ表示牌から求めるドラを1つ間違えた回もありました。どちらも人が読んで気づいた誤りです。そこで2026年8月19日から、原稿に書いてある手牌をそのままエンジンにかけ直し、10本36表396行を全数照合するテストを置いています。受け入れ計算機(/tools/ukeire/)も同じ解析コードをブラウザで動かしているので、記事の数字と計算機の数字が別の計算になることはありません。下の画面は第1問の手牌を計算機に入れた実際の結果です。

三人麻雀の受け入れ計算機。第1問の手牌を入れた「打牌候補(受け入れの広い順)」の結果


自分の手で確かめる

いちばん効くのは、自分が迷った局面を後から入れ直して、何枚ぶんの差だったのかを1回だけ数えてみることだと思います。

受け入れ計算機 は、手牌をタップで入れると打牌候補ごとの向聴数・受け入れ枚数・待ちの形を出します。この記事の3問はどれもURLに手牌が入っているので、リンクを開いてから1枚だけ入れ替えて、数字がどう動くかを見てみてください。

繰り返しになりますが、四人麻雀用の何切るツールに同じ手牌を入れても、同じ数字は出ません。萬子が一と九しかない三人麻雀では、2m〜8m が受け入れ候補に出てくること自体が誤りですし、チーがないことで面子の作りやすさも変わります。三人麻雀の何切るは、三人麻雀の牌構成で計算する必要があります。


まとめ

事実として言えること

そこから私が採っている方針(意見)

同じ局面をAI相手に何度でも試せます。AIは立直・ポン・カン・降りまでひととおり打つので、細い待ちで押したときに何が起きるかも確かめられます。ルールは36項目が設定でき、ローカル対戦とオンライン対戦で共通です。

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このシリーズの他の記事

三人麻雀の何切るを、切り口ごとに分けて出しています。どれも問題は生成器の出力そのままで、解析表は同じ計算から出しています。

  1. テンパイを取るか、受け入れを広く残すか(この記事)
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