麻雀のローカルルール一覧 — セット麻雀で実際に使われる36項目
結論
麻雀のローカルルール(ハウスルール)は、「役を増やす/減らす」だけの話ではありません。実際に卓を囲むと、点数の丸め方・連荘の条件・同時ロンの処理といった進行のルールのほうが、はるかに揉めます。
この記事では、ローカルルールを36項目に整理して一覧にします。思いつきの寄せ集めではなく、三人麻雀サイト jongbase で実際に切り替えられる設定項目そのものです。内訳は次のとおりです。
| 分類 | 項目数 |
|---|---|
| 基本 | 5 |
| サンマ固有 | 3 |
| 点数・精算 | 13 |
| 役・ドラ | 8 |
| ローカル役 | 7 |
| 合計 | 36 |
各項目に既定値と変えると何が起きるかを書いてあります。既定値は「身内で打つときにいちばん穏当」と判断した組み合わせで、そのまま使っても違和感が出ないようにしてあります。
三人麻雀(サンマ)向けの実装なので「北の扱い」「ツモ損」のような三麻固有の項目が入りますが、点数・精算や役の採否は四人麻雀でもそのまま議題になる項目です。
基本(5項目)
| 項目 | 既定 | 変えると何が起きるか |
|---|---|---|
| 局数 | 半荘戦 | 東風戦にすると東場(東1局〜東3局)だけで終局。半荘戦は東場+南場。三人麻雀なので1つの場は3局です。南3局が終われば終局で、延長(西入)はありません |
| 赤5筒 | 1枚 | 0〜4枚。増やすほど通常の5筒と入れ替わり、ドラが濃くなります。4枚にすると5筒が全部赤 |
| 赤5索 | 1枚 | 同上。赤を増やすと平均打点が上がります。競技寄りにしたいなら両方0枚 |
| チップ(祝儀) | なし | ありにすると「一発1枚+赤ドラの枚数+裏ドラの枚数」を、和了者が点棒を払う人から受け取ります。点棒とは別枠の枚数として集計・表示されます |
| 持ち時間 | 30秒 | オンライン対局で1手番を待つ長さ。天鳳と同じ「基本5秒+追加ぶん」で、基本の5秒は毎回必ずもらえて減りません。5秒を超えて考えたぶんだけ追加ぶん(プール)が減り、これは半荘を通して使い回します。1手番の最大で5/15/30/60/200秒と「制限なし」から選べます。制限なしは誰も急かされない代わりに、離席(画面を開いたまま席を外す)した人がいると卓が進まなくなります。接続が切れた席だけは、設定にかかわらず30秒で自動的に進みます |
サンマ固有(3項目)
| 項目 | 既定 | 変えると何が起きるか |
|---|---|---|
| 北の扱い | 抜きドラ | 4択です。抜きドラ(晒してドラ1・山から補充・抜く行為は鳴き扱い)/抜きドラ(空気)(ドラ1は同じだが鳴き扱いにしない=一発が消えず九種九牌も壊れない)/通常の字牌(役なし。北抜きボタンが出ない)/常に役牌(北の刻子で1翻)。「通常の字牌」「常に役牌」を選ぶと、小四喜・大四喜が成立し得る形になります(抜きドラの卓ではまず出ません) |
| ツモ損 | なし | ありにすると、いない北家の支払い分を補填しません。満貫以上のツモが子で25%・親で33%減ります(ロンの点数は変わりません) |
| 割れ目 | なし | (四人麻雀にもあるルールですが、設定画面の分類に合わせてここに置いています)ありにすると、局ごとにサイコロで1席が「割れ目」になり、その席が関わる授受だけが2倍になります。和了者が割れ目なら全員からの支払いが2倍、放銃者が割れ目ならその支払いが2倍、ツモの支払者のうち1人が割れ目ならその1人分だけが2倍です |
北の扱いは、抜いた北がドラになるのか・抜く行為が鳴き扱いになるのかで手の作り方が変わります。4種類の違いと、カンと北抜きで嶺上牌をいくつ消費するかまでは北抜きとは — どこから抜く?何がドラになる?で詳しく扱っています。
ツモ損の効果は実数で見るとはっきりします。満貫のツモで比べます。
| 精算方式 | 子の満貫ツモ | 親の満貫ツモ |
|---|---|---|
| ツモ損なし(既定) | 親5000+子3000=8000 | 6000×2=12000 |
| ツモ損あり | 親4000+子2000=6000 | 4000×2=8000 |
子の満貫で2000点、親の満貫で4000点も変わります。開始前に必ず確認したい項目です。なぜ三人麻雀にだけこの選択肢があるのかはツモ損とは何かに、満貫以外も含めた支払いの一覧は三人麻雀の点数表にまとめてあります(点数表はツモ損あり/なしの両方を並べてあります)。
割れ目で2倍になるもの・ならないもの
割れ目は「その席の収支を2倍にする」ルールだと説明されがちですが、jongbase の実装は授受そのものを2倍にする方式です。払う側と受け取る側の両方に同じ倍率がかかるので、点棒の総量が狂いません。
2倍の対象になるのは和了の素点だけです。
| 授受の種類 | 2倍になるか |
|---|---|
| ロンの素点・ツモの素点 | なる |
| 本場(積み棒) | ならない |
| 供託(立直棒) | ならない |
| ノーテン罰符 | ならない |
| 流し満貫 | ならない |
| チップ(祝儀) | ならない |
割れ目の席は親から出目の数だけ数えて決まり(サイコロ2個ぶん)、局ごとに変わります。対局中は該当する席に紫の「割」バッジが表示されるので、誰が割れ目かを覚えておく必要はありません。
点数・精算(13項目)
いちばん揉めるのはここです。役の採否より先に決めてください。
| 項目 | 既定 | 変えると何が起きるか |
|---|---|---|
| 開始時持ち点 | 35000 | 25000/30000/35000/40000。三人麻雀は打点が高いので、四人麻雀より多めが一般的です |
| 返し点 | 40000 | 成績計算の基準点。(返し点−持ち点)×3人分が「オカ」としてトップの取り分になります。既定はオカ15。持ち点と同じ値にすればオカなし |
| ウマ 1位 | +15 | 1位の順位点。0〜60の範囲で5刻み。大きくすると、素点の差より順位の差が最終スコアを左右します |
| ウマ 2位 | 0 | 2位の順位点。−40〜+40の範囲で5刻み。3位のウマは合計が0になるよう自動計算されます(既定では−15) |
| 立直供託 | 1000 | 1000/1500/2000。上げると立直のコストが増え、安手の立直が割に合わなくなります。持ち点が供託額に足りないと立直を宣言できません |
| 積み棒点数 | 300 | 0〜5000点の500刻み。ロン和了では和了者が本場×この額を受け取ります。ツモの場合は1人あたり100点単位に丸めるので、既定300点なら各家100点ずつ(合計200点)です |
| 100点棒を使う | なし | なし=早見表方式(すべての支払いを1000点単位に切り上げ、4翻は符に関係なく満貫)。あり=標準の点数計算(30符4翻7700点・七対子25符2翻1600点など100点単位) |
| トビ終了 | あり | 誰かの持ち点が0点を下回った時点で終局(0点ちょうどは続行)。なしにするとマイナスでも最後まで打ちます |
| 責任払い(パオ) | あり | 大三元の3種類目の三元牌を鳴かせた人が責任を負います。ロンなら素点を放銃者と半分ずつ(本場は放銃者が負担)、ツモなら包が全額。3種類目を自分でツモった・暗槓した場合は対象外です |
| 頭ハネ | あり | あり=同時ロンは打った人から見て近い席だけが和了。なし=ダブロン成立(供託と本場は上家取り)。なお槍槓は設定に関係なく頭ハネ固定です |
| 九種九牌 | あり | 第一巡・誰も鳴いていない状態で么九牌が9種類以上あるとき、途中流局を宣言できます。流局後は親が続行(連荘)し、本場が1本増えます。なしにすると配牌が壊滅していても打ち切るしかありません |
| 加槓への槍槓 | あり | 加槓しようとした牌を他家がロンできます。役の制限はありません。ロンされた側はカンが成立せず、嶺上牌もカンドラも無しです |
| 北の槍槓(国士) | あり | 国士無双を聴牌している家だけが、他家の抜き北をロンできます。なしにすると北抜きは完全に安全になります |
槍槓の2項目には共通の落とし穴があります。ロンできたのに見逃すとフリテンになります。 同巡内フリテン(次の自分のツモまでロン不可)になり、立直中に見逃した場合はその局ずっとロンできません。抜き北をロンできるのが国士無双を聴牌している家だけなのはなぜか、加槓への槍槓と何が違うのかは抜いた北はロンできるのかで扱っています。
役・ドラ(8項目)
| 項目 | 既定 | 変えると何が起きるか |
|---|---|---|
| 一発 | あり | 立直後1巡以内・鳴きが入らないうちの和了に1翻。競技寄りにするならなし。チップありの卓では一発が1枚分になるので、この設定が祝儀の量にも効きます |
| 裏ドラ | あり | 立直して和了したときにめくる追加ドラ。なしにすると、立直で上乗せされるのは一発とツモだけになります |
| カンドラ | あり | カンのたびに新ドラを1枚めくります(裏ドラも同数増える)。jongbase ではカンを宣言した時点でめくります。槍槓されたカンではめくりません |
| 食いタン | あり | なしにすると鳴いた断么九が役として認められません。他に役がなければ和了できなくなります |
| 後付け | あり | なしにすると完全先付けになります。鳴いた手で、成立する役が役牌のみ、かつその役牌の刻子が和了牌で完成した場合は和了できません(和了ボタン自体が出ません) |
| 切り上げ満貫 | あり | 30符4翻・60符3翻を満貫に引き上げます。早見表方式では4翻がもともと満貫なので、この設定が効くのは主に「100点棒を使う」をオンにしたときです |
| 数え役満 | あり | 高い翻数を役満として扱います。閾値は点数計算モードに追随し、早見表方式(既定)なら14翻以上、100点棒方式なら13翻以上。なしにすると11翻以上はすべて三倍満止まりです |
| ダブル役満 | あり | 四暗刻単騎・国士無双十三面待ち・純正九蓮宝燈・大四喜(採用時の大七星も)を役満2つ分にします。子のロンなら64000点。なしなら役満1つ分です |
「後付けなし」で和了できなくなる形
完全先付けは流派によって定義がまちまちで、厳しく解釈すると「どう和了しても役が確定していること」まで要求されます。jongbase が採っているのは、役が和了牌で初めて確定した和了だけを止める定義です。
和了できなくなるのは、次の条件がすべてそろったときだけです。
- 鳴いている手(門前の手は立直や門前清自摸和が付くので対象外)
- 成立している役が役牌だけ
- その役牌の刻子が、鳴いたものではなく和了牌で完成した
たとえば白をポン済みなら、鳴いた時点で役が見えているので先付けです。シャンポン待ちで別の役牌の刻子が既に手の内にある場合も、役は先に確定しているので和了できます。断么九や混一色など役牌以外の役が付く手も影響を受けません。
止められる手は、対局画面で和了ボタン自体が出ません。「和了れると思って倒したら役なしだった」という事故は起きない作りです。
数え役満の閾値がモードで変わる理由
早見表方式(既定)は4翻を満貫にするぶん、点数の階段が標準ルールより1段下にずれています。上端だけ標準どおり13翻にすると表の内側で辻褄が合わなくなるため、数え役満も1段ずらして14翻からにしてあります。「100点棒を使う」をオンにすると階段が標準に戻るので、数え役満も標準どおり13翻以上になります。2つの方式で同じ手の支払いがどう変わるかは、七対子のような「100点棒がないと払えない手」を例に100点棒を使わない三麻の点数で説明しています。2つの方式の支払いをその場で見比べるなら点数計算機が早いです。
| 点数計算モード | 三倍満 | 数え役満 |
|---|---|---|
| 早見表方式(既定) | 11〜13翻 | 14翻以上 |
| 100点棒方式 | 11〜12翻 | 13翻以上 |
ローカル役(7項目)
いわゆる「ローカル役」です。既定では人和と流し満貫だけ採用し、残りは切ってあります。全部入れると役満が乱発するので、卓の趣味に合わせてください。
採否で迷いやすいものは、それぞれ単独の記事で成立条件と点数を詳しく扱っています。何翻として数えるかで揉めやすい人和(レンホー)、抜いた北で壊れるのかが争点になる流し満貫、対々和と複合すると打点が跳ねる三連刻・四連刻・一色三順、三人麻雀だと四人麻雀より現実味がある大車輪・大竹林です。
| 項目 | 既定 | 内容と効果 |
|---|---|---|
| 人和(レンホー) | 満貫 | 子が自分の第一ツモを迎える前にロン和了。なし/満貫/役満から選択。満貫扱いのときは、他の役の合計が満貫未満でも満貫まで引き上げます |
| 流し満貫 | 満貫 | 自分の捨て牌がすべて么九牌のまま、一度も鳴かれずに流局。なし/満貫/役満。成立するとテンパイ料に代えて満貫(役満)のツモ相当を受け取ります。親が成立させた場合は連荘です。抜いた北は河に置かないので、流し満貫を壊しません |
| 三連刻 | なし | 同色の連続する3刻子(例: 索子の333・444・555)で2翻。ありにすると対々和との複合で打点が跳ねます |
| 四連刻 | なし | 同色の連続する4刻子で役満 |
| 一色三順 | なし | 同色の同じ順子3組(例: 筒子の234・234・234)で門前3翻・食い下がり2翻 |
| 大車輪・大竹林 | なし | 筒子(大車輪)または索子(大竹林)の2〜8だけで作った七対子で役満。三人麻雀では萬子が薄いので、四人麻雀より現実味があります |
| 大七星 | なし | 字牌7種すべてを使った字一色の七対子でダブル役満。採用すると、この形は字一色ではなく大七星として扱われます |
jongbase に「無い」ローカルルール
一覧の信頼性は、無いものを無いと書けるかで決まります。よく話に出るのに実装していないものを挙げます。
- 暗槓への槍槓 — 国士無双が暗槓をロンできるルールは採用していません。槍槓の対象は加槓と抜き北だけです。
- 四風連打・四家立直・四開槓などの途中流局 — 途中流局は九種九牌だけです(三人麻雀なので四風連打や四家立直は成立しませんが、槓が4回でも流局しません)。
- 大三元以外の責任払い — 四喜和・四槓子の包は未対応です。
- 西入・延長戦 — 南3局が終われば終局です。トップが返し点に届いていなくても延長しません。
- 青天井 — ありません。
ここに挙げていないものも含め、世の中のローカルルールを分類して眺めたい場合は面白い麻雀ローカルルール集に、やきとり・地域ルールまで含めて並べてあります。
打つ前に決めておくと揉めない5項目
36項目を毎回全部確認するのは現実的ではありません。実際に卓で議論になるのは、経験上この5つです。
- ツモ損 — 三人麻雀最大の分岐。子の満貫ツモで2000点変わります。
- 100点棒を使う — 「その手は7700点なのか8000点なのか」の話です。点棒のやり取りの手間に直結します。
- 頭ハネ/ダブロン — 同時ロンが実際に起きてから議論を始めると、必ず後味が悪くなります。
- 北の扱い — 抜きドラなのか、鳴き扱いにするのか(=他家の北抜きで自分の一発が消えるのか)。
- 切り上げ満貫 — 4翻30符が8000点なのか7700点なのか。点数計算の話と絡むので、3と一緒に決めてください。
逆に、ローカル役(三連刻・大車輪など)は後から足しても揉めません。成立した瞬間に「今回から入れよう」で済む種類の話です。揉めるかどうかは、決める順番で決まります。
この5項目を打つ前に順番に確認したいなら、そのまま読み上げて使えるチェックリストをセット麻雀のルールの決め方に用意してあります。
まとめ
ローカルルールの一覧は、眺めるだけだとどうしても他人事になります。自分たちの卓の取り決めをそのまま設定して打つのがいちばん理解が早いはずです。
jongbase では、この36項目をすべて対局ごとに設定できます。決めた設定は保存されるので、次回は「前回の設定を読み込む」で同じ卓のルールを復元できます。AI相手のローカル対戦でも同じ36項目が使えるので、「この取り決めだと点数がいくらになるのか」を1人で確かめてから本番に持ち込むこともできます(AIは立直・ポン・カン・降りまでひととおり打ちます)。