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流し満貫の条件と三人麻雀での扱い — 抜いた北で流し満貫は壊れるのか

(更新 2026年8月19日)

結論

流し満貫は、自分の捨て牌がすべて么九牌のまま、一度も鳴かれずに流局したときに成立します。手が聴牌している必要はありません。

そして三人麻雀でいちばん多い疑問への答えを先に書きます。

抜いた北は流し満貫を壊しません。

理由は単純で、抜いた北は河(捨て牌)に置かれないからです。北抜きは手牌から北を抜いて場の脇に晒す動作で、捨て牌の列には1枚も並びません。流し満貫の判定は河と副露しか見ていないので、北を4枚抜こうが判定には一切影響しません。北抜きそのものの手順(どこから抜くか・何がドラになるか・何を失うか)は北抜きとはで扱っています。

これは実装を読まないと断言できない部分なので、実際に確かめた結果を後述します。


成立条件は3つだけ

条件内容
1. 河がすべて么九牌1・9の数牌と字牌(東南西北白發中)だけ。2〜8の数牌が1枚でも混じれば不成立
2. 一度も鳴かれていない自分の捨て牌が他家にポン・カンされていたら不成立
3. 流局まで到達荒牌平局(山を最後まで使い切った流局)でのみ成立

聴牌は条件に入りません。ノーテンでも成立します。 ここが「テンパイ料の一種」と誤解されやすいところです。

条件2は「自分の捨て牌が鳴かれていないこと」であって、「自分が鳴いていないこと」ではありません。jongbase の判定は、全員の副露を走査して「その面子の出どころが自分の席かどうか」だけを見ています。つまり自分がポンしていても流し満貫は成立します(ただし鳴いた後の打牌も全部么九牌でなければならないので、実際にはかなり厳しい)。自分の暗槓も同様に無関係です。

条件3も見落としやすい点です。九種九牌で途中流局した局では流し満貫は成立しません。 判定が走るのは山を使い切って終わったときだけです。


「抜き北は流れるのか」を実際に確かめた

三人麻雀では北を抜くたびに1枚が場に出ます。これが「捨て牌」に数えられるなら、北は字牌なので么九牌であり、流し満貫を壊さないことになります。逆に「鳴き」に数えられるなら、条件2に引っかかりそうにも見えます。どちらの理屈も立つので、実装で確定させるしかありません。

jongbase のエンジンで、河をすべて么九牌にした状態から実際に北を抜いて、判定関数の戻り値を前後で比べました。

状態河の枚数抜いた北流し満貫の判定
北を抜く前90成立
北を抜いた後(北=抜きドラ)91成立
北を抜いた後(北=抜きドラ・空気扱い)91成立

河の枚数が9枚のまま増えていないのがポイントです。抜いた北は捨て牌の列に入らず、抜き枚数のカウンタが1増えるだけなので、流し満貫の判定材料そのものになりません。

北の扱いを「抜きドラ」にすると北抜きは鳴き扱いになり(他家の一発が消えます)、「抜きドラ・空気扱い」にすると鳴き扱いになりません。この2つは一発や九種九牌の条件には効きますが、どちらを選んでも流し満貫の結果は同じでした。

ついでに、外れるケースも同じ方法で確認しています。

ケース判定
河に5筒が1枚混じる不成立
自分の捨て牌を他家がポンした不成立
自分が暗槓している成立
自分が他家の牌をポンしている成立
一度も打牌していない(河が0枚)不成立

最後の行は理屈っぽく見えますが、配牌後すぐに他家が和了して局が終わった場合などに効きます。「捨て牌0枚は空集合なので全部么九牌」と判定してしまうと事故になるため、河が空なら不成立にしてあります。


点数 — 誰がいくら払うか

流し満貫は「満貫のツモ和了と同じ授受」を受けます。三人麻雀ではツモの支払い割合が四人麻雀と違うので、実数で確認しておく価値があります。以下は jongbase の既定(ツモ損なし)で実際に局を終わらせて得た値です。ツモ損を「あり」にした卓との違いはツモ損とは何かに、満貫以外も含めた支払いの一覧は三人麻雀の点数表にあります。

満貫扱い(既定)

成立者親の支払い子の支払い受取合計
−5,000−3,000+8,000
−6,000 ×2+12,000

役満扱い(設定を変えた場合)

成立者親の支払い子の支払い受取合計
−20,000−12,000+32,000
−24,000 ×2+48,000

役満設定にすると、子でも32,000点が動きます。半荘の結果が1回でひっくり返る威力なので、採用するなら全員の合意を取ってからにしてください。

2人同時に成立したら

理論上は複数人が同時に成立させられます。実際に席1と席2の両方を成立させて流局させたところ、こうなりました。

収支
親(席0)−10,000
子(席1)+5,000
子(席2)+5,000

それぞれが独立に満貫ツモを受け取る計算なので、子どうしは3,000点を払い合って相殺され、親だけが5,000点×2を丸かぶりします。合計は0で、点棒の総量は狂いません。


普通の和了と違うところ

流し満貫は「和了」ではなく「流局時の授受」です。この違いが、細かい精算に効きます。

項目流し満貫での扱い
ノーテン罰符発生しない。 流し満貫の授受がテンパイ料に置き換わります
供託(立直棒)受け取らない。 場に残ったまま次局へ持ち越されます
本場(積み棒)加算されない。 何本場でも点数は同じです
割れ目2倍にならない。 割れ目の倍率は和了の素点にだけかかります
親の連荘親が成立させたら連荘します(本サイトはテンパイ連荘で固定。連荘の方式は設定項目にありません)

供託を受け取らないのは実際に確かめた挙動です。立直棒2本(2,000点)を場に置いた状態で流し満貫を成立させても、供託は2,000点のまま残りました。立直をかけていた人にとっては「流し満貫を打たれたうえに立直棒も戻らない」形になります。

ノーテン罰符が消える点も見落とされがちです。流し満貫が1人でも成立すると、他家の聴牌・ノーテンは点数計算にまったく関与しません。実際、全員ノーテンの局で子が流し満貫を成立させたときの収支は、罰符なしの ±8,000/−5,000/−3,000 ちょうどでした。


jongbase での設定

対局設定の「ローカル役」の中に 「流し満貫」 という項目があります。

選択肢効果
なし判定そのものを行いません。捨て牌が全部么九でも普通の流局です
満貫(既定)上の表の満貫の授受
役満上の表の役満の授受

同じ「ローカル役」の枠に人和も並んでいて、こちらも なし/満貫/役満 の3択です。既定はどちらも採用(満貫)にしてあります。人和が「何翻の役」ではなく満貫の下限を保証する扱いになっている理由は麻雀の人和(レンホー)とはに、ローカル役を含む36項目の一覧は麻雀のローカルルール一覧にまとめてあります。

成立すると対局画面の結果表示が「流し満貫(プレイヤー名)」に変わるので、なぜノーテン罰符が動かなかったのかが分からない、ということは起きません。


よくある勘違い

「聴牌していないと成立しない」 — しません。ノーテンでも成立します。むしろ么九牌ばかり切っている手が聴牌しているほうが珍しく、多くは「和了を諦めて么九牌を並べ続けた結果」です。

「自分が鳴いたら流れる」 — jongbase では流れません。鳴かれる側だけが条件です。ただし鳴けば打牌が増えるので、么九牌だけで押し通すのは難しくなります。

「北を抜くと河が汚れる」 — 抜いた北は河に入りません。北抜きは流し満貫と完全に独立です。北を4枚抜き切っても成立します。

「途中流局でも成立する」 — しません。九種九牌で流れた局では判定自体が走りません。

「本場が乗るから連荘中はおいしい」 — 乗りません。5本場でも点数は8,000点のままです。


三人麻雀で流し満貫は狙えるのか

正直に書くと、狙って作る役ではありません。ただし三人麻雀には四人麻雀にない事情があります。

108枚の山のうち、萬子は1萬と9萬の8枚しかなく、字牌は28枚あります。么九牌の比率が四人麻雀より高いのです。

ルール全牌数么九牌の数比率
四人麻雀13652(1・9が3色で24枚+字牌28枚)38.2%
三人麻雀10852(1萬9萬の8枚+筒索の1・9が16枚+字牌28枚)48.1%

么九牌の枚数は52枚で四人麻雀とまったく同じなのに、山の総数だけが108枚に減ります。萬子の2〜8がまるごと存在しないぶん、么九牌の密度が10ポイント近く上がる計算です。

配牌に么九牌が多く来やすいぶん、序盤を么九牌だけで凌げる局は四人麻雀より起きやすくなります。加えてチーがないので、么九牌を鳴かれる経路がポン・カンだけに限られます。実際には么九牌を切り続けると聴牌を捨てることになるので、「配牌が絶望的で、他家も静かで、字牌が余っている」局に限った選択肢です。

なお、三人麻雀では手が進むのが速く流局そのものが少ないため、成立回数は多くありません。「見たことがある人が少ない役」であることは変わらないので、成立したときのために点数と連荘の扱いだけは事前に共有しておくのがおすすめです。


まとめ

jongbase では、流し満貫の採否と満貫/役満の切り替えを対局ごとに設定できます。AI相手のローカル対戦でも同じ設定が使えるので(AIは立直・ポン・カン・降りまで打ちます)、「実際に成立したら点棒がどう動くのか」を1人で確かめてから本番の卓に持ち込めます。満貫と役満の受け取りの差だけ先に見たいなら、点数計算機で並べられます。

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