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100点棒を使わない三麻の点数 — 早見表方式と符計算の違い

(更新 2026年9月29日) ・ 書いた人: jongbase の運営者

結論

セット麻雀やフリー卓のサンマでは、100点棒をやり取りしない卓が珍しくありません。その卓が使っているのが「早見表方式」です。ルールとしては次の2つだけです。

  1. ロンの点数を1000点単位に切り上げる(ツモの内訳は、合計がそのロン点に一致するように決まっています)
  2. 4翻は符に関係なく満貫にする

これだけで、点棒のやり取りが1000点棒以上で完結します。100点棒を数える必要がなく、精算が速くなります。

一方、雀荘や競技ルールでおなじみの「30符4翻7700点」「七対子25符2翻1600点」といった数字は、標準の符計算(この記事では100点棒方式と呼びます)から出てきます。

この2つは、同じ手が最大で2800点も違います。

立直・平和・断么九・ツモ(20符4翻・子のツモ)支払い(親/子)合計
早見表方式5000 / 30008000
100点棒方式3200 / 20005200

早見表方式では4翻が無条件で満貫になるため8000点。100点棒方式では基本点1280からの計算で5200点。しかも、切り上げ満貫の設定をオンにしても5200点のままです(理由は後述します)。

この記事の数値はすべて jongbase の点数計算エンジンに実際に計算させた出力です。以下、両方式を全面的に並べます。


なぜ100点棒を使わない卓があるのか

理由は単純で、面倒だからです。

麻雀のセットに入っている点棒のうち、いちばん本数が多く、いちばん細かいのが100点棒です。1局ごとに数本ずつやり取りしていると、卓の上に散らばって管理が煩雑になります。半荘の途中で「100点棒が足りない」と両替が発生することもあります。

具体例で見てみます。100点棒方式で、子が30符3翻をロンしたときの支払いは3900点です。これを実際の点棒で払うと、

1000点棒 × 3 + 500点棒 × 1 + 100点棒 × 4 = 8本

早見表方式なら同じ手が4000点なので、

1000点棒 × 4 = 4本

半荘で20回近く和了と流局が起きることを考えると、この差は無視できません。早見表方式では、すべての支払いが1000の倍数になります。 100点棒どころか500点棒も要りません。

もうひとつ、副次的な利点があります。符計算を覚えていなくても点数が出せることです。早見表方式では4翻以上がすべて満貫以上なので、細かい符を数える必要があるのは3翻以下だけ。しかも1000点単位に丸めるので、多少符を間違えても結果が変わらないことが多いのです。初心者が混じる卓と相性がいいのはこのためです。

運営者メモ: jongbase の既定が早見表方式なのは、三人麻雀の点数早見表を実装の「正」にしているからです。この表は満貫を4翻まで下げた1段シフトの表で、支払いは全部1000点単位に切り上げ、4翻は符に関係なく満貫になります。上端も同じ理由で1段ずれていて、数え役満は14翻からです。開発中、この14翻を実装のずれと見て13翻に直す案が出たことがあります。検討の結果、早見表は上下の両端がそろってずれていることで内部が整合していると分かり、2026年8月14日に方式ごとに閾値を持たせる形(早見表方式14翻・標準方式13翻)にしました。100点棒を使う卓は、同じ設定画面から標準の符計算に切り替えられます。下の1枚目は設定画面の「100点棒を使う」の行、2枚目は七対子2翻を両方式で並べた点数計算機です。

ルール設定の詳細。「100点棒を使う」が「なし」、「切り上げ満貫」が「あり」の状態

点数計算機で七対子25符2翻を表示。早見表方式2,000点と標準計算1,600点が並ぶ


2つの方式の計算の仕方

100点棒方式(標準の符計算)

まず基本点を出します。

基本点 = 符 × 2の(2+翻)乗

たとえば30符3翻なら 30 × 2⁵ = 960。この基本点に、和了り方に応じた倍率を掛けて100点単位に切り上げます。

和了り方倍率
子のロン基本点 × 4
親のロン基本点 × 6
子のツモ(ツモ損なし)親から × 2.5、子から × 1.5
子のツモ(ツモ損あり)親から × 2、子から × 1
親のツモ(ツモ損なし)各子から × 3
親のツモ(ツモ損あり)各子から × 2

30符3翻の子ロンなら 960 × 4 = 3840 → 切り上げて 3900点です。

早見表方式(100点棒を使わない)

考え方は同じですが、切り上げの単位が1000点になります。960 × 4 = 3840 → 4000点。

ただしこの「1000点単位に切り上げる」で決まるのはロンの点数だけです。ツモの内訳は基本点から切り上げても再現できません。たとえば子の30符3翻をツモ損なしでツモると、実装が返すのは親3000+子1000=4000で、子の1000点は基本点960の1.5倍(1440)を切り上げた値ではありません(切り上げなら2000です)。成り立っているのは「ツモの合計=ロンの点数」だけで、3翻以下の内訳は実装が表として直接持っています。

加えて、4翻は符を見ずに満貫として扱います。30符4翻でも、25符4翻でも、20符4翻でも一律8000点(親は12000点)です。

満貫以上は、13翻を除いて両方式で同じです。満貫8000/跳満12000/倍満16000/三倍満24000/役満32000(いずれも子のロン)。13翻だけは数え役満の閾値が方式で違い、早見表方式では三倍満24,000点、100点棒方式では数え役満32,000点になります。


同じ手が何点になるか(子のロン)

100点棒方式は切り上げ満貫を切った素の値です。

符・翻早見表方式(既定)100点棒方式差
30符1翻100010000
30符2翻200020000
30符3翻40003900+100
40符1翻20001300+700
40符2翻30002600+400
40符3翻60005200+800
50符1翻20001600+400
50符2翻40003200+800
50符3翻70006400+600
25符2翻(七対子)20001600+400
25符3翻(七対子+1翻)40003200+800
25符4翻(七対子+2翻)8000(満貫)6400+1600
30符4翻8000(満貫)7700+300
40符4翻8000(満貫)8000(満貫)0

早見表方式は常に同額か高くなります。 切り上げなので当然ですが、実感としては「安手ほど相対的に大きく得をする」形です。40符1翻の1300点が2000点になるのは、約1.5倍です。

親のロン

符・翻早見表方式100点棒方式差
30符1翻20001500+500
30符2翻30002900+100
30符3翻60005800+200
40符1翻200020000
40符2翻40003900+100
40符3翻80007700+300
50符1翻30002400+600
50符2翻50004800+200
50符3翻100009600+400
25符2翻(七対子)30002400+600
25符3翻(七対子+1翻)50004800+200
25符4翻(七対子+2翻)12000(満貫)9600+2400
30符4翻12000(満貫)11600+400

七対子は「100点棒がないと払えない手」の代表

七対子は符が25符に固定されます。この25という数字が、100点棒を要求する典型例です。

100点棒方式での七対子の点数を並べます。

七対子(25符)子ロン親ロン
2翻(七対子のみ)16002400
3翻(+1翻)32004800
4翻(+2翻)64009600

1600点は「1000 + 500 + 100」、6400点は「5000 + 1000 + 100×4」。すべて100点棒なしでは払えません。

ツモになるとさらに細かくなります。門前で七対子をツモると、門前清自摸和が付いて25符3翻。子の和了で、ツモ損なしの場合の支払いはこうです。

方式親から子から合計
100点棒方式200012003200
早見表方式200020004000

100点棒方式では、子が1200点を払います。1000点棒1本と100点棒2本です。これが半荘に何度も発生するのが、100点棒を嫌う卓の実感です。

早見表方式ではこれが2000点に切り上げられ、和了者の収入は3200点から4000点に増えます。「七対子は早見表方式のほうが得」というのは、実際にこの丸めの効き方から来ています。

平和ツモの20符も同様です。平和と門前清自摸和だけの2翻20符の子ツモは、100点棒方式で 親800 / 子500 = 1300点。早見表方式では 親1000 / 子1000 = 2000点になります。


最大の違いは「4翻」の扱い

表を見ると、いちばん差が大きいのは4翻の行です。ここが2つの方式の分かれ目です。

早見表方式は4翻を符に関係なく満貫とします。100点棒方式は基本点で判定するので、符によって満貫に届いたり届かなかったりします。

4翻の手(子)早見表方式100点棒方式(切り上げ満貫なし)100点棒方式(切り上げ満貫あり)
20符4翻(平和ツモ+2翻・ツモ合計)800052005200
25符4翻(七対子+2翻・ロン)800064006400
30符4翻(ロン)800077008000
40符4翻(ロン)800080008000

20符の行だけツモの合計額なのは、20符はツモでしか発生しないからです。平和をロンで和了すると門前加符が付いて30符になります。

注目してほしいのは右の2列です。切り上げ満貫をオンにしても、20符4翻と25符4翻は満貫になりません。

切り上げ満貫は「30符4翻・60符3翻を満貫に上げる」というルールで、30符以上が条件だからです。七対子の25符と平和ツモの20符は条件を満たさないので、6400点・5200点のまま据え置かれます。

つまり、「100点棒方式+切り上げ満貫」は「早見表方式」の代わりにはなりません。 30符4翻だけを揃えても、七対子と平和の4翻で1600点・2800点の差が残ります。この2つは別のルールです。


ツモ損との組み合わせ

丸め方(100点棒を使うか)と、ツモの分配(ツモ損あり/なし)は独立した設定です。4通りすべてが作れます。

立直・平和・断么九をツモった子の手(20符4翻)で、4通り全部を出したものです。

丸め方ツモ損親から子から合計
早見表方式なし(既定)500030008000
早見表方式あり400020006000
100点棒方式なし320020005200
100点棒方式あり260013003900

同じ手が8000点から3900点まで、2倍以上の幅で変わります。 「点数表を検索したら自分の卓と違う数字が出てきた」という現象の正体は、ほぼこの2軸の組み合わせです。

なお、ツモ損ありの場合の丸めも方式に従います。早見表方式なら1000点単位、100点棒方式なら100点単位に切り上げられます。

ツモ損そのものについては ツモ損とは何か に、両方式の点数表は 三人麻雀の点数表 にまとめました。


jongbase での設定

対局開始前のルール設定「点数・精算」の中に、次の2項目があります。

項目名既定説明
100点棒を使うオフオフ=早見表方式(1000点単位)。オンにすると標準の符計算(100点単位)
切り上げ満貫オン4翻30符・3翻60符を満貫に上げる。100点棒方式のときに効く

既定を早見表方式にしているのは、身内でリアルに卓を囲むときの実態に合わせたからです。100点棒を出さずに打っている卓のほうが多いという前提です。

雀荘のルールや競技ルールに合わせたい場合は「100点棒を使う」をオンにしてください。和了画面には符・翻・ドラの内訳と各家の支払いが表示されるので、自分の卓の数字と合っているかをその場で照合できます。 対局せずに照合したいときは点数計算機で、同じ翻・符の早見表方式と標準計算を並べて見られます。

ルールはホストが決めて、その半荘のあいだ固定です。対AIモードでもオンライン対戦とまったく同じ36項目が設定できるので、「うちの卓の点数はどっちの方式なんだろう」を1人で検証するのにも使えます。


よくある勘違い


まとめ

100点棒を使わない三麻の点数は、次の2つのルールで完全に説明できます。

  1. 支払いをすべて1000点単位に切り上げる — 100点棒も500点棒も要らなくなる
  2. 4翻を符に関係なく満貫にする — 符計算が要るのは3翻以下だけになる

そして、標準の符計算との差がいちばん大きく出るのは、符が低いまま翻だけ伸びた手です。七対子(25符)と平和ツモ(20符)の4翻がその代表で、それぞれ1600点・2800点の差が生まれます。

自分たちの卓がどちらの方式なのかは、七対子の2翻をロンしたときに1600点と言うか2000点と言うかを聞けば一発でわかります。

丸め方以外に卓で決められる項目(頭ハネかダブロンか、北の扱い、数え役満の閾値など)は、麻雀のローカルルール一覧に36項目ぶん並べてあります。

jongbase ではトグル1つで両方式を行き来できます。いつも打っている卓のルールをそのまま設定して、点数の出方を確かめてみてください。

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この記事の作り方について → https://jongbase.com/editorial-policy/