三連刻・四連刻・一色三順 — 三人麻雀で採用されやすいローカル役
結論
この3つはまとめて語られることが多いローカル役ですが、実は三連刻と一色三順は同じ14枚の手牌を指しています。
3筒3筒3筒 4筒4筒4筒 5筒5筒5筒 ← 三連刻(連続する3つの刻子)
3筒4筒5筒 3筒4筒5筒 3筒4筒5筒 ← 一色三順(同じ順子3組)
上下の行は、並べ替えただけでまったく同じ9枚です。3・4・5が3枚ずつあるのだから当然で、刻子として読むか順子として読むかの違いしかありません。したがって「三連刻を採用するか」「一色三順を採用するか」は、同じ形に何点を与えるかの選択になります。
jongbase での翻数と既定値はこうなっています。
| 役 | 翻 | 既定 | 成立条件 |
|---|---|---|---|
| 三連刻 | 2翻 | なし | 同じ色で連続する3つの刻子(槓子でも可) |
| 四連刻 | 役満 | なし | 同じ色で連続する4つの刻子(槓子でも可) |
| 一色三順 | 門前3翻/食い下がり2翻 | なし | 同じ色の同じ順子3組 |
3つとも既定は不採用です。採用すると同じ手の点数がどう動くかを、実測値で見ていきます。以下の点数がどの符・翻に対応するかは三人麻雀の点数表で確認できます。
同じ手が設定次第で4,000点から8,000点まで動く
手牌を固定して、設定だけを切り替えて計算させました。手は 3筒4筒5筒の3セット(=333444555筒)+ 6索7索8索 + 東東、子のロン(和了牌は東の単騎)です。
| 設定 | エンジンが選んだ役 | 翻 | 符 | 子のロン |
|---|---|---|---|---|
| どちらもなし(既定) | 三暗刻 | 2 | 50 | 4,000 |
| 一色三順のみ | 一色三順 | 3 | 40 | 6,000 |
| 三連刻のみ | 三暗刻+三連刻 | 4 | 50 | 8,000(満貫) |
| 両方あり | 三暗刻+三連刻 | 4 | 50 | 8,000(満貫) |
面白いのは「両方あり」の行です。三連刻のみと結果が同じになっています。
これは jongbase のエンジンが、手牌の読み方を全部並べて、いちばん点数が高くなる読み方を採用する作りになっているからです。この手は「刻子3つ+三暗刻」とも「同じ順子3組」とも読めるので、両方を計算して高いほう(8,000点)を返します。一色三順を採用してもしなくても、三連刻が有効なら結果は変わりません。
逆に、一色三順だけを採用すると順子として読んだほうが翻が高くなり、6,000点になります。同じ牌なのに、設定の組み合わせで4,000/6,000/8,000と3段階に分かれるわけです。
断么九が付く形でも試しました。3索4索5索の3セット+6索7索8索+2筒2筒(子ロン・和了牌は2筒)です。
| 設定 | 成立役 | 翻 | 子のロン |
|---|---|---|---|
| どちらもなし | 断么九+三暗刻 | 3 | 7,000 |
| 一色三順のみ | 断么九+一色三順 | 4 | 8,000(満貫) |
| 三連刻のみ | 断么九+三暗刻+三連刻 | 5 | 8,000(満貫) |
| 両方あり | 断么九+三暗刻+三連刻 | 5 | 8,000(満貫) |
こちらは、一色三順だけでも三連刻だけでも満貫に届きます(jongbase の既定は早見表方式なので4翻から満貫です)。どちらか一方を入れれば満貫、入れなければ7,000点という素直な差になりました。
三連刻 — 対々和・三暗刻と噛み合う
三連刻の判定は「同じ色で、ランクが n・n+1・n+2 の刻子または槓子がそろっているか」だけです。暗刻か明刻かは問いません。ポンした刻子でも、暗槓でも成立します。
暗槓を1つ混ぜた形(3筒を暗槓+444筒+555筒+678索+東東、子ロン)でも三連刻は成立し、符が60符まで伸びて満貫になりました。
三連刻の実用上の魅力は、ほぼ必ず他の刻子役と複合する点です。刻子を3つ並べる手なので、放っておいても三暗刻(2翻)が付き、4つ目も刻子にできれば対々和(2翻)が乗ります。上の表で「三連刻を入れると2翻増えて満貫」になっていたのはこのためです。
三人麻雀ではチーが無いので、鳴いて進める手はポンで刻子を作る手だけになります。ただし「連続する3ランク」という条件は変わらないので、成立する頻度が上がるわけではありません。
なお、萬子では絶対に成立しません。三人麻雀の萬子は1萬と9萬しかなく、連続する3ランクが取れないためです。三連刻・四連刻・一色三順はすべて筒子と索子の専用役だと考えて構いません。
四連刻 — 四暗刻と重なって3倍役満になる
四連刻は、連続する4つの刻子(12枚)+雀頭という形です。当然ながら成立は極めて難しいのですが、jongbase の実装には知っておくべき挙動があります。
四暗刻と複合します。
手牌 222筒333筒444筒555筒+1索1索、子のロン(和了牌は1索の単騎)で計算させました。
| 設定 | 成立した役満 | 子のロン |
|---|---|---|
| 四連刻なし(既定) | 四暗刻単騎(ダブル役満) | 64,000 |
| 四連刻あり | 四暗刻単騎(ダブル役満)+四連刻 | 96,000 |
役満3つ分です。子のツモでも同額で、親から60,000・子から36,000の内訳になりました。刻子を4つ暗刻で並べる以上、四連刻の成立形はそのまま四暗刻の成立形でもあるので、これは偶然ではなく必然の重なりです。
ポンが1つ入って四暗刻が消えた場合も確認しました。手は 2筒をポン+333筒444筒555筒+1索1索(子ロン)です。
| 設定 | 成立役 | 子のロン |
|---|---|---|
| 四連刻あり | 四連刻(役満) | 32,000 |
| 四連刻なし | 対々和+三暗刻(4翻) | 8,000 |
| 四連刻なし・三連刻あり | 対々和+三暗刻+三連刻(6翻) | 12,000(跳満) |
鳴いても四連刻は成立するので、この場合は8,000点が32,000点に化けます。四連刻を採用するかどうかで、同じ手が4倍になるわけです。
採用の判断としては、「四暗刻と重なって役満3つ分になる」ことを許容できるかどうかが分かれ目です。ハウスルールの「ダブル役満」を なし にしても四連刻は独立した役満として加算されるので、上限は役満2つ分(子のロンで64,000点)にとどまります。上限をこれ以上抑えたいなら、四連刻そのものを入れないのが確実です。
| ダブル役満の設定 | 内訳 | 子のロン |
|---|---|---|
| あり(既定) | 四暗刻×2+四連刻×1 | 96,000 |
| なし | 四暗刻×1+四連刻×1 | 64,000 |
一色三順 — 「食い下がり2翻」はほぼ出番がない
一色三順の判定は「同じ色の同じ順子が3組あるか」です。門前3翻・食い下がり2翻と表示されますが、三人麻雀ではこの食い下がりがかなり不思議な位置に置かれます。
理由は2つあります。
1つ目。三人麻雀にはチーがありません。 順子は自分の手の中でしか増やせないので、同じ順子3組を鳴きで作ることは不可能です。食い下がり2翻になるのは「別のところでポンかカンをした」場合だけです。
2つ目。ポンを入れると、刻子として読んだほうが翻が高くなります。 白をポンして 234筒×3+9索9索 という手を作り、和了牌を変えて試しました。
| 和了牌 | 一色三順あり | 一色三順なし |
|---|---|---|
| 9索(雀頭の単騎) | 役牌白+対々和+三暗刻=5翻 8,000 | 同じ(5翻 8,000) |
| 4筒(刻子の一部) | 役牌白+対々和=3翻 6,000 | 同じ(3翻 6,000) |
どちらの和了牌でも、一色三順を採用してもしなくても点数が変わりませんでした。 刻子として読んだときに付く対々和(2翻)+三暗刻(2翻)のほうが、一色三順の食い下がり2翻より高いか同じになるため、エンジンが刻子の読み方を選び続けるからです。私が試した範囲では、鳴いた一色三順が役名として表示されることはありませんでした。
したがって一色三順は、実質的に門前3翻の役だと思っておくのが正確です。門前であれば、上の表のとおりきちんと3翻として成立します。門前の一色三順を自摸和了すると、門前清自摸和1翻と合わせて4翻=満貫になりました(親から5,000・子から3,000)。
なお、同じ順子が4組そろった形(いわゆる一色四順)に対する専用の役は実装していません。実際に 2222・3333・4444筒+9索9索 で試したところ、一色三順(3翻)または二盃口(3翻)として計算されました。
どれを採用するか
3つの役の性格をまとめます。
| 役 | 打点への影響 | 成立難易度 | 他の役との複合 |
|---|---|---|---|
| 三連刻 | +2翻(満貫に届きやすくなる) | 高い | 三暗刻・対々和と自然に複合 |
| 四連刻 | 役満(既存の役満に上乗せされる) | 極めて高い | 四暗刻と重なって役満3つ分 |
| 一色三順 | 門前で+1〜2翻 | 高い | 三暗刻・二盃口と競合し、高いほうが採られる |
おすすめの組み合わせを挙げるなら次のとおりです。
- 打点を少し上げたいだけ → 三連刻だけを採用。上限が役満まで飛ばないので、卓の性格が大きくは変わりません。
- 順子で手を作るのが好き → 一色三順だけを採用。ただし三連刻も同時に入れると一色三順の出番が消える点に注意してください(同じ形で三連刻のほうが高くなるため)。
- 役満を増やしたい → 四連刻を採用。ただし四暗刻との複合で96,000点が出る可能性があります。
- 競技寄りにしたい → 3つとも切る(既定のまま)。
ローカル役を足すほど、配牌で決まる度合いが上がります(狙って作れる役ではないため)。長く回すつもりなら、上限が役満まで飛ばない三連刻あたりから試すのが無難だと思います。
jongbase での設定
対局設定の「ローカル役」に、次の項目が並んでいます。
| 表示名 | 説明 | 既定 |
|---|---|---|
| 三連刻 | 同色の連続3刻子 2翻 | なし |
| 四連刻 | 同色の連続4刻子 役満 | なし |
| 一色三順 | 同じ順子3組 門前3翻 | なし |
同じ枠には人和・流し満貫・大車輪/大竹林・大七星もあり、ローカル役は全部で7項目です。既定で採用しているのは人和と流し満貫だけです。ハウスルール全体では36項目あり、設定は保存して次回に読み込めます。七対子系で性格が違う大車輪・大竹林や、既定で採用している流し満貫も同じ枠にあります。36項目の全体像は麻雀のローカルルール一覧にまとめました。
よくある勘違い
「三連刻と一色三順は別の手」 — 牌としては同じ形です。読み方が違うだけで、どちらが成立するかは設定次第です。
「三連刻は暗刻でないとダメ」 — ポンした刻子でも暗槓でも成立します。
「一色三順を入れれば鳴いても2翻もらえる」 — 三人麻雀ではチーがないうえ、ポンを入れると刻子の読み方のほうが高くなるため、実際には門前限定の役として働きます。
「萬子でも作れる」 — 三人麻雀では作れません。萬子は1萬と9萬しかなく、連続するランクが存在しないためです。
「四連刻は役満なので、四暗刻とはどちらか一方」 — 両方が加算されます。実測で96,000点(役満3つ分)になりました。
「両方採用すれば点数が足し合わされる」 — されません。手牌の読み方が違うので、高いほうの読み方だけが採用されます。
まとめ
- 三連刻(2翻)・四連刻(役満)・一色三順(門前3翻)は、いずれも既定では不採用。
- 三連刻と一色三順は同じ牌姿。エンジンは両方の読み方を計算して高いほうを採用するので、両方入れると三連刻が優先されます。
- 同じ手が「なし=4,000点/一色三順=6,000点/三連刻=8,000点」と3段階に動きます。
- 四連刻は四暗刻と複合して役満3つ分(子のロンで96,000点)になり得ます。上限を抑えたい卓では入れないほうが安全です。
- 三人麻雀では萬子に連続するランクがないため、3つとも筒子・索子の専用役です。
jongbase では、この3つを含む36項目のハウスルールを対局ごとに設定できます。AI相手のローカル対戦でも同じ設定が使えるので(AIは立直・ポン・カン・降りまで打ちます)、「入れると打点がどのくらい変わるのか」を先に確かめてから卓の取り決めにできます。翻数だけ変えて支払いの動きを見るなら、点数計算機が早いです。